個人で出来るオルタナティブ投資の種類と概要
シリーズ第6回目です。
さて、今回はシリーズ最終回、これまでに紹介した商品以外に個人で出来る投資先の代表的なものを取り上げたいと思います。合わせて投資口座のURLも記載しておきます。
何事も興味を持つことが第一歩ですので、目を引いたものがあればぜひ口座を開くところからチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
保険
まず保険です。
保険は、一義的には不測の事態に備えるためのものですが、支払ってそれっきりの「掛捨型」でない、保険期間満了時に過去に支払った保険料の一部(ないし保険料の金額以上!)が支払われる「積立型」の商品も数多く存在します。
(いままでのエントリで出てこなかったのが不思議なくらいですよね。)
保険のことを掘り下げていくととてもこのエントリだけではカバーしきれないので、私がとても参考にしているブログをひとつだけご紹介しておきます。
ブログをご覧頂くとわかるのですが、私の保険に対する投資スタンスは批判的・否定的です。
掛捨て型のものには加入していますが、それも最低限で、養老保険や終身保険の類は加入していません。
運用するなら高い保険料を保険会社に支払うよりも、自分で探して投資したいというのがその理由です。
また、私は将来日本にハイパーインフレが訪れると思っているタイプなので、その点からも積立型の保険商品を契約する気にはならないのです。つまり、保険はあくまで保険であって、投資の対象として期待していないということです。
もっとも、保険は支払時に生命保険料控除の対象になったり、受取時(死亡時)には相続人側で非課税枠が使えたりと、多少税制のメリットが効くので、最低限入っておくくらいでよいかなと思っています。
金(貴金属投資)
次に貴金属投資、その中でも金投資です。
「有事の金」という言葉を聞いたことのある方も多いと思いますが、金は実物資産のため、株式などと比べて紙屑にならない安心感があります。
また、テロや震災など。何か株式市場にマイナスの影響を与えるような事件・事故が起こった際、逆に安全資産の投資先として価値が上昇するのが一般的です。リスクヘッジ・分散投資効果も期待できます。
個人が持てる金の口座の代表的なものをいくつか以下に挙げておきます。
田中貴金属工業
http://gold.tanaka.co.jp/index.php
金、プラチナ、銀の売買ができます。G&Pプランナーというオンライン口座サービスがおすすめで、月々1000円程度から積立投資が可能です。ちなみに私ももう長いことこちらで積み立て投資を行っています。
三菱マテリアル「ゴールドパーク」
なんといっても三菱グループの運営という安心感があります。貴金属事業だけでなくセメント事業、金属事業などポートフォリオが多岐にわたるため、長期投資を期待したい一般投資家にとっては会社の業績が安定しているのは何より評価できると思います。
ちなみに上記のほか、住信SBIネット銀行の「Mr.純金積立」や、楽天証券の「純金積立」など、大手証券会社や銀行などでも一部金の積み立て投資が可能です。
商品先物、資源取引など
21世紀は資源争奪の世紀と言われており、例えば石油であれば悲観論で残り採掘可能量は1.8兆バレル(約41年分)と言われています。
今でこそWTIで1バレル=50ドル台前後と多少の落ち着きを見せている原油価格ですが、リーマンショック時の08年には一時1バレル=100ドルの大台を突破しました。
今後も中長期的には確実に枯渇が見えている資源は確実に値上がりが見込める有望投資先と言えます(代替材が登場しなけければの前提付きですが)。
しかしながら、個人で資源投資や商品を対象とした投資を行うのはほぼ不可能で、現時点では投資信託やETFを通じて取引を行う必要があります。以下にいくつかご紹介します。
WTI原油価格連動型上場投信【1671】:ETF – Yahoo!ファイナンス
(NEXT FUNDS)NOMURA原油インデックス上場【1699】:ETF – Yahoo!ファイナンス
ETFS WTI原油上場投資信託【1690】:ETF – Yahoo!ファイナンス
なお、上記は全てETFです。
ETFはExchange Traded Fundsの略称で、上場投資信託と訳されます。投資信託の中の一種ですが、上場されている分、値動きがわかりやすい、売買が可能(投資信託は解約という位置づけ)といったメリットがあります。
投資信託とETFの違いはこちらの頁にわかりやすくまとめられていたので、興味のある方はどうぞ。
クラウドファンディング、ソーシャルレンディング
2-3年ぐらい前から急激にはやり始めた新しい投資の形です。
プロジェクトや事業を立ち上げたい起業家や団体がインターネットのプラットフォーム上で事業内容を紹介した上で、不特定多数の一般投資家から投資や資金の貸付けを募ります。そして、プロジェクト終了後(あるいは、農産物であれば収穫時など)にリターンが分配されるという仕組みです。
自分と縁のある地域や、問題意識・興味の合致したプロジェクトを応援したいといった場合には楽しみながら投資が出来るかもしれません。
Redyfor(レディフォー)
クラウドファンディング – Readyfor(レディーフォー)
クラウドファンディングでは一番有名だと思います。数か月前に「カンブリア宮殿」でも特集されていましたね。
マクアケ
クラウドファンディング – Makuake(マクアケ):サイバーエージェントグループ
サイバーエージェントグループのクラウドファンディング会社です。こちらも「ガイアの夜明け」で取り上げられていました。
Campfire(キャンプファイヤー)
クラウドファンディング – CAMPFIRE(キャンプファイヤー)
名前だけ見るとアウトドアのようですがこちらもクラウドファンディングの会社です。音楽系やアート系、カルチャー系が多いようですね。
ちなみに一時期「みんなのクレジット(通称:みんクレ)」という会社がリターン(10%超の謳い文句!)がとてもよいことで話題になりましたが、2017年8月に東京都から貸金業法違反などの罪により業務停止処分を受けました(その後9月に解除)。
ポイントサイトなどにさかんに広告が出ていて、私も一時期投資を考えましたが、どう考えても利回りがうさん臭く感じられたのでやめました。うまい話には裏があると眉唾で臨みましょう。
仮想通貨(ビットコイン)
最近何かとニュースで見かけるビットコイン。
ビットコイン自体は決済手段ですので、本来投資対象ではありません。
しかし、ここ2、3年ほど市場は過熱を続けており、投資先として一般投資家が流入を続けています。
私もつい最近Coincheck(コインチェック)という会社で新しく口座を開きました。
最近では東京三菱グループがビットコイン企業に投資するというプレスがされたり
また、スイスの大学でビットコインによる授業料の納付を受け付け開始されたりと、日々その利用機会は広がっています。
VALU
株式会社のように、個人個人が自分の価値を「模擬株式」として発行・(ビットコインによる)取引できるという新しいサービスです。
まだ2017年5月にベータ版が開始されたばかりで、クラウドファンディングに近い投資形態ですが、方向性が明確なプロジェクトやプロダクトを支援するのではなく、「顕在化していないが成し遂げたい何か」を持っている「個人」の可能性に対して投資するという点が異なります。
9月にはYoutuberのヒカル氏が優待で個人投資家の人気を煽った上で自らのもつVALUを売り抜けて数千万円の利益を得るという相場扇動のような行為を行って大炎上しました。
【大炎上】YoutuberヒカルVALU騒動→詐欺疑惑で無期限活動停止 – NAVER まとめ
自分の好きなタレントやグループの支援でグッズを大量購入したりライブの追っかけをしたりといった熱烈なファン行為は昔からあったことですが、それをビットコインと組み合わせて小口化して投資対象にするという発想は全く新しいもので、個人的にも今後の成り行きに関心があります。
編集後記
私自身、投資には強い関心があるので、新しい商品にも出来るだけアンテナを高くして、いろいろなことにチャレンジしていきたいと思っています。
それで、つい最近ビットコイン口座を開設したのですが、明らかに市場がバブルの状況のため、まだビットコインを取引できずにいます。
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