改悪必至?ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)の提携特典航空券の必要マイル数変更ニュースから見えてくるもの
(2019年5月3日アップデート:BAが開始したバイマイルキャンペーンについての情報を追記しました)
初めてこのブログにお越しの方は、アメリカ駐在員が年間100万マイル&ポイントを貯めた方法をまとめた>こちらのエントリ<からご覧ください。
こんにちは、アメリカ駐在員のKenji(@sorakoge)です。
さて、今日はブリティッシュ・エアウェイズ(BA)の提携会社特典航空券の必要マイル数変更ニュースについて取り上げます。
先日発表されたプレスリリースにより、5/30から提携航空会社の特典航空券の手配のルールが改訂されることが決まりました。今日はそのニュースについて、内容と思うところを書いてみたいと思います。
変更ニュースの詳細
ニュースが駆け巡ったのは、4/29のことです。
ちょうど日本のゴールデンウィークが始まったばかりのニュースで、日本在住の方は寝耳に水の方が多かったと思います。私もtwitterで他のブロガーが流している第一報を目にして、慌てて公式サイトをチェックしました。
BA Aviosが下記のマイルプログラムを5/30から改訂します。改悪ですかね。。
Alaska Airlines, Air Italy, American Airlines, Cathay Pacific, Finnair, Japan Airlines, LATAM, Malaysia Airlines, Qantas, Qatar Airways, S7, Sri Lankan, and Royal Jordanian Airlineshttps://t.co/Sx1qqQobyR?
— Kenji@米国駐在員のカネとバラの日々 (@sorakoge) 2019年4月29日
BAが発表した日本語のプレスリリース全文は、以下の通りです。
2019年5月30日より、弊社は以下の提携航空会社の特典フライトにかかるAvios料金を変更いたします:アラスカ航空(Alaska Airlines)、エア・イタリー(Air Italy)、アメリカン航空(American Airlines)、キャセイ・パシフィック航空(Cathay Pacific)、フィンランド航空(Finnair)、日本航空(Japan Airlines)、LATAM、マレーシア航空(Malaysia Airlines)、カンタス航空(Qantas)、カタール航空(Qatar Airways)、S7航空、スリランカ航空(Sri Lankan)、ロイヤル・ヨルダン航空(Royal Jordanian Airlines)
また、アメリカン航空(American Airlines)のアップグレードにかかるAvios料金のみ、2019年5月30日より変更いたします。お客様には、ご予約キャビンとアップグレード済みのキャビンのAvios料金の差額をお支払いいただきます。
これらの提携航空会社のAvios予約を既にお持ちの場合、ご心配は無用です。ご予約は有効であり、必要に応じて変更またはキャンセルが可能です*。弊社の新規Avios料金は、2019年5月30日以後に行われる変更または新規予約に適用されます。
ブリティッシュ・エアウェイズ(British Airways)、エアリンガス(Aer Lingus)、イベリア航空(Iberia)、ブエリング航空(Vueling)の特典フライトおよびアップグレードに関する弊社のAvios料金には変更はありません。弊社の他のサービスに関するAvios料金にも影響はありません。引き続き、弊社の幅広いホテルやレンタカー、アクティビティにてAviosをお使いいただけます。
以上、BA公式サイトより。
プレスリリースからわかること
プレスリリースからわかることを、以下にまとめたいと思います。
対象となるのは提携航空会社手配の特典航空券
まず一点目ですが、今回の改訂では、BAグループそのものではなく、提携航空会社の特典航空券を狙い撃ちにしています。
BAの親会社はIAG(=International Airline Group)というイギリス・ロンドンとスペイン・マドリードに本社を置く航空会社グループです。
BAのほか、エアリンガス(Aer Lingus)、イベリア航空(Iberia)、ブエリング航空(Vueling)も傘下に置いています(会社の公式サイトはこちらです)。
これらのグループ「内」の航空会社は、今回の改訂では特典航空券のルール改正の対象になっていません。
つまり、今回の改定はグループ本体ではなく、あくまで提携先の航空会社の特典航空券を狙い撃ちにしたものということがわかります。
ルール変更の対象とならない航空会社
・ブリティッシュ・エアウェイズ(British Airways)
・エアリンガス(Aer Lingus)
・イベリア航空(Iberia)
・ブエリング航空(Vueling)
ルール変更の対象となる航空会社
・アラスカ航空(Alaska Airlines)
・エア・イタリー(Air Italy)
・アメリカン航空(American Airlines)
・キャセイ・パシフィック航空(Cathay Pacific)
・フィンランド航空(Finnair)
・日本航空(Japan Airlines)
・LATAM航空
・マレーシア航空(Malaysia Airlines)
・カンタス航空(Qantas)
・カタール航空(Qatar Airways)
・S7航空
・スリランカ航空(Sri Lankan)
・ロイヤル・ヨルダン航空(Royal Jordanian Airlines)
見て頂くとわかる通り、対象航空会社はBA Aviosで発券ができる特典航空会社です。
特に赤字でハイライトした、JALやアメリカン、マレーシア航空などは日本人にも使う機会の多いエアラインで、影響は避けられないところだと思います。
Kenji
私もBAとイベリアのAviosを合計して15万マイル超を保有しているので、他人事ではありません。。
対象となるのは5月30日以後手配の特典航空券
先日United Airlineの改訂があったのは記憶に新しいですが、UAと違うのは、今回の改定はあくまで5月30日以後手配の特典航空券からが変更後ルールの対象になるということです。
ルールが改悪になるようなケースであれば、5/29までに手配できるものがあれば手配しておいた方が一般的にはベターということが出来ます。
国内線が対象になるかは不透明
今回のルール改正が、国際線のみを対象にしたものなのか、それとも(日本)国内線も対象に入ってくるのかも明らかになっていません。
まぁ一般的には特典航空券のチャート表の改訂ということであれば、国内線も対象に入ってくると考えた方が無難だともいます。
日本の国内線であれば、JAL国内線の特典航空券を大部分、片道4,500Aviosで手配が可能でした。
かなり使い勝手のよいマイルプログラムということで推していたポイントブロガーが多かったと思いますが、スイートスポットがまた一つ消滅する危機にありそうです。
変更後のチャートは未公表。未確認情報もあり
一番マイラーを困惑させている点として、変更後のチャートが未だ公表されていません。
チャート表が公表されないことをもって、裏読みして変動マイル制度が導入されると推測している海外ブロガーもちらほら見かけます。
Since British Airways isn’t revealing the changes here, my guess is that they’re following the industry trend. Maybe we’ll start to see dynamic award pricing, where the cost of an award varies by airline, route, etc., beyond just the distance.
出典は、One Mile at a Timeです
他方、BAからのリークかはわかりませんが、一部のブロガーは未確認情報として変更後のチャートの情報を流しています。
例えば、現行の650マイル区間(JAL便の提携航空券手配の場合、羽田発の国内線はほぼこのケースです)が下記のように変わると言及しているサイトもあるようです(情報源は、View from the Wing、SEAT 31Bなど)。
変更前4,500マイル → 変更後6,000マイル(実質33%アップ)
情報がまだまだ錯綜している状況ですが、個人的には世の中の流れ的に変動チャート制になるのかな~と思っています。
BAのチャート表はネット上に転がっているので、変更後に比較する意味でも今のチャートを保存しておくとよいかもしれません。
(2019年5月7日追記)
公式サイトにルール変更に関するQ&Aが追加されました。
Q&Aによれば、「特典フライトにかかるAvios料金が4%だけ上がります」と記載されています。
BA公式サイトに特典航空券ルールの変更に関するQAが追記されていますね。英語と日本語それぞれのスクショを掲載しておきます。https://t.co/r1PCucYznM pic.twitter.com/4XaFCcQTX3
— Kenji@米国駐在員のカネとバラの日々 (@sorakoge) 2019年5月4日
Twitterやブロガーの反応を見ていると、数十~数百マイル単位での値上げが可能なのかということについて疑問の声が上がっているようです。
いずれにしても、5/30の公式リリースを見るまでは安心できそうにありませんね。。
過去1年間のプロモーション実績から考える今回の改訂の方向
個人的な印象としては、5/30からBAの特典航空券も改悪になると捉えてほぼ間違いないと思っています。
Aviosの最近一年ほどの動きを見ていると、結構な頻度でセールを行っていることが気に掛かっていました。
ぱっと思いつくものだけでも、ここ一年で4つのマイル購入プロモーションが実施されています。
2018年6月の最大9万Avios「祭り」案件
3日間限定で、Iberia.comで購入されたチケットに対して、1冊辺りにつき追加で9,000Aviosのボーナスを付与するという「祭り」案件でした。
No Showでもマイルを付与する破格の条件で、当時の最安チケットベースで約300~350ユーロで最大9万マイル(マイル単価0.42円!!)が獲得できるとマイラー業界が狂喜乱舞に沸いた3日間でした(TPGの関連記事はこちらです)。
他ポイントプログラムからのトランスファーボーナス
BAは、ここ一年の間に、私が把握しているものだけでも4回トランスファーボーナスのプロモーションを実施しました。
・2018年3月:マリオットポイントからのトランスファーで35%ボーナスキャンペーン
・2018年6月:HSBCポイントからのトランスファーで35%ボーナスキャンペーン
・2018年10月:アメックスポイントからのトランスファーで40%ボーナスキャンペーン
・2019年4月:ChaseのURポイントからのトランスファーで30%ボーナスキャンペーン
私もアメックス、HSBCのポイントを過去に2度、トランスファーボーナス時に移行しました。
40%UPプロモーションを利用してアメックスポイントをBAマイルへ移行しました。MRポイントの利用はANAマイルと決めつけずにトランスファーキャンペーンを利用するのもおすすめですよ〜https://t.co/phom0yp3nU
— Kenji@米国駐在員のカネとバラの日々 (@sorakoge) 2018年10月21日
いまも、6/16までの期間限定で、ChaseのURポイントをAviosに移行すると30%のトランスファーボーナスがもらえるプロモーションが行われています(The Points Guyの参考記事はこちらです)。
スペイングルーポンにおけるイベリア航空のAviosのディスカウントセール
スペイングルーポンでは、定期的に最大65%のディスカウントセールが実施されます。
2,000Aviosの購入の場合、単価は1.2円/Avios程度で調達が可能です(スペイングルーポンでのAviosセールを紹介した記事はこちらにあります)。
なお、私が把握している限り、スペイングルーポンでのAviosセールは2019年1月を最後に実施されていません。
2019年4月のバイマイルキャンペーン
これはつい最近イベリア航空が実施したバイマイルプロモーションです。
ディスカウントは50%と公式サイトで実施されるマイル購入プロモーションでは過去最大級でした。
バイマイルはセール中で20万Aviosまで可能で、それに50%のボーナスを加えて一撃30万Avios(約45万円で、マイル単価は約1.5円/Avios)が獲得できるという大盤振る舞いのセールでした(すけすけさんの関連記事はこちら)。
2019年5月のバイマイルキャンペーン
2019年5月2日から、今度はBAがバイマイルプロモーションを開始しました。
ディスカウントはイベリアのバイマイルプロモーションと同じ、50%です。
このタイミングでBAはさらに50%のバイマイルキャンペーンをやるんですね。ちょっと驚きです。経営判断的には理にかなっているかもしれませんが、ファンをなくしそうな気もします。。
期間は5/21までです。https://t.co/4q3t9Btm3b
— Kenji@米国駐在員のカネとバラの日々 (@sorakoge) 2019年5月2日
各種プロモーションを振り返ってみて
これらの各種プロモーションを振り返ってみて、後出しのコメントにはなりますが、ちょっと今回の特典航空券のルール改訂と照らし合わせるとやや出来過ぎの印象があります。
うがった見方をすると、セールのタイミングが絶妙というか、 改訂があることを見越して各種のバラマキを行っていたのではないかと勘繰りたくなるのは私だけではないでしょう。
もちろん、マイルの購入プロモーションはアメリカン航空やユナイテッド航空など、他社も折に触れて実施するマーケティングではありますが、Aviosのそれは回数も頻繁で、値引き率も高い。言ってしまえば「過激」な内容であることが気に掛かっていました。
Kenji
特に4月のURポイントのトランスファーキャンペーンと、公式サイトのバイマイルキャンペーン時にはすでに内部で改訂を決定していたとみてほぼ間違いない気がします
世界経済が発展していく限り、改悪、すなわち特典航空券発券のための必要マイル数が増えることは世の中の流れであり、止めようがありません。
が、今回の改訂はちょっとやり方がひどいというか、ユーザー目線では納得できるタイミングではないのかなと感じます。
まとめ
今回のBAのルール改訂はまだ内容が明らかになったわけではありませんが、改悪の方向で見てほぼ間違いないと思います。
BAの特典航空券は、国際線の場合355日前から手配が可能です。
5月30日から新ルール適用ということであれば、2019/4/29の355日後、つまり2020年4月18日旅行分までは、期日内に手配すれば旧ルールの枠内で特典航空券の発券ができるはずです。
来年4月までに旅行の計画があるという方は、旧ルール内での手配を考えてみてはいかがでしょうか。
Kenji
私も期日までに1つか2つ、Aviosを使った旅行の予定を立てたいと思います
参考記事です。
BA Aviosに移行してJAL便を手配する目的で、4月のイベリアのバイマイルキャンペーンでマイルを購入された方も多いはずです。移行がまだ済んでいないという方は、下記のエントリでやり方を画像付きで解説してあります。
【画像付き】グルーポンでセール中!イベリア航空のAviosをBAマイルに交換する方法
4月はマイル業界にいろいろなニュースが飛び交った月でしたが、1-3月にも様々なトピックがありました。こちらのエントリで第一四半期の重大ニュースを5つ取り上げてあります。
アメリカ陸マイラー界の重大ニュース・トップ5(2019年第一四半期)
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