【保存版】ヒルトンポイントの価値を徹底検証:その2(ポイント宿泊のコストパフォーマンス)
初めてこのブログにお越しの方は、アメリカ駐在員が年間100万マイル&ポイントを貯めた方法をまとめた>こちらのエントリ<からご覧ください。
こんにちは、アメリカ駐在員のKenji(@sorakoge)です。
ヒルトンポイントの価値を考えるエントリ。2回目の今日は、ポイント宿泊と有償宿泊の場合の価値の違いについて比較をしてみたいと思います。
ポイントがたくさんあっても実が有償予約の方がコストパフォーマンスが高いということがままあるのがヒルトンのポイントシステムです。
今日はポイントの上手な使い方について、コストパフォーマンスを数値を使いながら具体的に考えてみたいと思います。
私の予約例
では、まずは私が手配した予約をご紹介しましょう。
カナダ・ナイアガラ旅行にあたって手配したEmbassy Suites Hilton Niagaraです。
ポイント宿泊の場合で一泊4.6万ポイント
有償予約の場合254カナダドル。83円換算で2.1万円(or約190ドル)です。
これを計算すると、ポイント単価は0.45円/pt(or 0.41セント/pt)くらいでした。
さて、この単価を見て、皆さんならどうしますか?
私は考えた結果、有償の宿泊に切り替えました。下でその理由について解説したいと思います。
会員ごとのポイント付与率
ポイント利用のコストパフォーマンスを考える際は、ご自身のヒルトン会員ステータスとセットで考えることが重要です。
前回のおさらい
まずは前回のおさらいです。
ヒルトンには「エリート・ステータス」という仕組みがあり、会員のステータスに応じて付与されるポイントが変わるシステムでした。
カードベネフィットによるポイント加算
そしてさらに、ヒルトンクレジットカードを持っている場合、支払いにはポイントが加算されます。
そのポイント付与率がこうでしたね。
詳しい解説は前回のエントリを参照してください。
【保存版】ヒルトンポイントの価値を徹底検証:その1(ポイント制度と各種セール、クレジットカードベネフィットの解説)
まとめると、有償での宿泊の場合、①ホテル側から付与されるポイント(ベースポイント+会員ステータスに応じて付与されるボーナスポイント)に、②クレジットカード利用によって付与されるカードポイントが加算されるということでした。
この2つのポイントを考慮に入れた上で、ポイント宿泊の場合のコストパフォーマンスを考えるということになります。
ポイント宿泊のコストパフォーマンスを考える場合は、この2点を考慮した上で有償予約と比較検討することが決定的に重要です。
ポイントバリューの比較
では、実際の例を基に比較してみましょう。上のEmbassy Suites Hilton Niagaraの予約例で考えます。
ポイントのコスト
まずは、ヒルトンポイントを「調達」する際の価値を考えてみましょう。
この場合のポイントの「価値」は有償で泊まる場合とを比較するため、ポイントの調達コストで考えます。
ポイントを100%ボーナスセール時に購入すると0.5セント/ptで購入できるんでしたよね。
ですので、調達に係るコストは、46,000ポイント x 0.5セント=230ドルです。
これは、言い換えれば、230ドル分のポイント(=4.6万ポイント)を購入すればEmbassy Suites Hilton Niagaraにポイント宿泊できるということです。
ダイヤモンド会員の場合
続いて、ポイントの「利用」価値を計算してみたいと思います。
なお、下記はあくまで獲得ポイントの「目安」です。会員ステータスによってさらにプラスでポイントが付与されたり、プロモーションで追加ポイントが付与されたりといったことがあるた、実際に獲得できるポイントとイコールになるとは限りません。
まずは、ダイヤモンド会員の場合を考えます。結果がこちらです。
(クリックすると拡大します。)
見方はこうです。
一番左の列の190ドルで有償予約する場合(これが実際に私が切り替えた予約ですね。)、獲得できるポイントはホテル&カードポイントの合計で、6,460ポイントです。
これをAMEXのポイント評価に従って0.67セント/ptと考えると、約43ドル。つまり、190USドル△43ドル=147USドルくらいが実際の宿泊コストと考えることが出来ます。
これに対して、ポイント宿泊に必要な4.6万ポイントはセール時には230ドルで購入することが出来ます。
この場合は、誰もポイントを購入してポイント宿泊しようとは思わないですよね?
つまり、ポイントの効率だけを考えると、190ドルのホテルが4.6万ポイントで出ていたら、ポイント宿泊よりも有償宿泊の方がコストパフォーマンスがよいということになります。
190ドルの場合のコスト・パフォーマンス
ポイント宿泊(4.6万pt→230ドル分のptが必要) <<< 有償宿泊(実質147USドルで宿泊可能)
逆に、どの程度の代金のホテルに泊まればポイントの効率がよくなるかというと、それが赤字の一泊300ドルの部分です。
この場合、有償で宿泊した場合の獲得ポイント差し引き後の宿泊コスト(表の⑦)は231ドルですよね。
231ドルのホテルに230ドル分のポイントで泊まることができる。この場合は、(わすかですが)「ポイント宿泊」が有利になります。
300ドルの場合のコスト・パフォーマンス
ポイント宿泊(4.6万pt→230ドル分のptが必要) > 有償宿泊(実質231USドルで宿泊可能)
同じカナダ旅行でヒルトン・トロントを予約しましたが、この時のレートは、有償予約が615カナダドル(≒464米ドル)、特典宿泊が5万ポイントでしたから、上記の例と比べるとコストパフォーマンスが倍近くよいことがわかります。
Kenji
結果的に、トロントではポイント利用による特典宿泊、ナイアガラでは現金による有償宿泊にしたというわけです
ゴールド会員の場合
続いて、ゴールド会員についてみてみましょう。
ゴールド会員がダイヤモンド会員と違うのは、
・ボーナスポイントが80%
・クレジットカードのポイント付与率が1ドルあたり12ポイント
の2点でした。
ですので、表の中のこの2点を置き換えます。結果がこちらです。
(クリックすると拡大します。)
どのあたりからポイント宿泊の方が有利になるかというと、赤字でハイライトした290ドルの部分です。
ダイヤモンド会員よりもブレーク・イーブンになるハードルが下がっているのは、還元されるポイントが少ないためです。
反対に言えば、ダイヤモンド会員は有償で宿泊するとポイントがたくさんもらえるので、より高いクオリティ・コストパフォーマンスを求めるということになります。
シルバー会員の場合
最後はシルバー会員です。
シルバー会員の場合のポイント付与率は、
・ボーナスポイントが20%
・クレジットカードのポイント付与率が1ドルあたり7ポイント
の2点ですよね。結果がこちらです。
(クリックすると拡大します。)
見て頂ければわかるとおり、シルバー会員の損益分岐点はだいぶ下がりました。270ドル弱くらいのところでブレーク・イーブンになります。ダイヤモンド会員と比べると30ドル以上落ちているのがわかります。
以上をまとめるとこうなります。
分析結果からわかること
・会員ステータスが上がるほど、有償宿泊でもらえるポイントが増える
・したがって、ステータスが上であるほど高いポイント単価のホテルで利用しない限り、コストパフォーマンスは悪化する
・単価が悪いホテルでは、敢えて有償で宿泊してポイントを貯めた方が有利に働くケースもある
もちろん、これはあくまでポイント価値「だけ」に着目して、割り負けない利用方法を突き詰めた場合の結果です。
「ヒルトンポイントがたくさんある」「キャッシュの支払いは出来るだけ避けたい」「有効期限の近いポイントがある」なんていう方は、多少ポイントの利用単価が下がってもポイント宿泊を入れるという選択だって成り立ちます。
また、ゴールド会員やダイヤモンド会員は『朝食無料』や、『部屋のアップグレード』といったベネフィットも期待できるため、逆にもう少しポイント単価が低くても構わない・・という考え方も成り立ちます。
Kenji
大事なのは、どの程度のポイント価値であれば納得してポイント宿泊を入れることができるのか、そして、どこを下回ったら有償で宿泊予約を入れるのか、自身のポイント残高や予算と相談しながら事前に決めておくことだと思います
まとめ
前回と今回2回にわたって、ヒルトンのポイントシステムと、ヒルトンポイントの価値について考えました。
ポイントは貯めるよりも使う方が難しいとはよく言ったもので、人によって、そして考え方によってもどこでポイントを利用するのがベターなのかは異なるはずです。
これちょっと微妙なポイント単価だけどどうしようかな・・・と悩んだときに、今回のエントリが考える手助けになれば幸いです。
今回ご紹介したツールが欲しい方は、問い合わせ欄からご連絡ください。
参考記事です。
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今回の比較検証に利用したのが、カナダ・ナイアガラ旅行の際のヒルトンの宿泊例でした。ナイアガラ旅行ではカード発行で貯めたマイル&ポイントを利用して、13万円超の節約に成功しています。そのときのエピソードをまとめたのがこちらのエントリです。
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