観光にも便利:ニューヨーク・フェリー(NYC Ferry)利用の方法とおすすめスポットを紹介
こんにちは、アメリカ駐在員のKenji(@sorakoge)です。
今日はNYCの観光情報、地下鉄と並ぶ移動手段であるフェリー「NYC Ferry」(NYCフェリー)を取り上げます。
フェリーというと観光でニューヨークを訪れる方はもちろん、ニューヨークに在住されている方でも馴染みがない方も多いと思いますが、使いこなすと想像以上に便利。そして、観光で使うとちょっと違ったニューヨークを楽しむこともできます。
今日はその乗り方や、利用するメリットを画像もふんだんに取り入れながら、フェリーの使いこなし方をどこよりも詳しくご紹介します。
NYC Ferryの概要
まず、NYC Ferryの概要です。
運航ライン
2019年4月現在、運航ラインは全部で6本あります。運航ルートは以下のマップの通りです。
(画像は公式サイトより。画像をクリックすると拡大します)
6つのルート(ルートをクリックするとNYC Ferryの各ラインのページに飛びます)
・イーストリバー・ルート(ER):34st~Wall St Pier11(夏季の週末はGovernors Islandまで)
・ロッカウェイ・ルート(RW):Rockaway~Wall St Pier11
・サウスブルックリン・ルート(SB):Bay Ridge~Wall St Pier11(夏季の週末はGovernors Islandまで)
・アストリア・ルート(AST):Astoria~Wall St Pier11
・ロウアーイーストサイド・ルート(LES):Long Island City~Wall St Pier11
・サウンドビュー・ルート(SV):Soundview~Wall St Pier11
これら6つのルートに2020年セントジョージ・ルート(SG)が、そして2021年にはコニーアイランド・ルート(CI)が加わり、合計8本の運航ルートになることが予定されています。
知っておくべき乗降ポイント2つ
ルートを見て頂くとわかるのですが、覚えておくと便利なNYC Ferryの起点となる主要ポイントは2つあります。
まず、Wall St Pier11がNYC Ferryの一番大きな乗降ポイントになっています。
私も2度利用したことがありますが、とにかく大きくて混雑しています。ウォールストリートへの通勤のみならず、観光にも知っておくと移動の幅が広がって便利です。
こちらはとにかく混みあいます。いっぱいで乗れない・・・なんてことにならないように、特に朝と夕方の通勤時間帯に利用する方は早めに行って並んでおくのがベターです。(私は別のPierで一度いっぱいで乗車を断られた経験があります。)
Wall St Pier11に並んで、乗り換えのポイントとなるのが、34stです。
NYC FerryではER、LES、AST、SVという4本のラインの停留所になっているほか、SEATREAKという、ニュージャージー行きの大型フェリーもここから運航しています。
(下の写真は、34stにあるseatreakの運航表です。)
ここはマンハッタンのNYU Hospitalのすぐそばにあって、国連ビルなどへのアクセスも近いため、通勤の足としても混雑します。
このWall St Pier11と34stという2つのメインポイントを軸に考えると、移動がとてもスムーズになります。
チケットの種類
チケットの種類は大きくOne wayチケット(片道)と、30日の月額チケットの2種類のみです。これに自転車を載せる場合、1ドルの追加料金がかかってきます。
具体的には以下の通りです。
NYC Ferryのチケット料金
・One-Way Pass:2.75ドル
・One-Way Pass with Bike:3.75ドル
・Bike One-Way Pass:1ドル
・30-Day Pass:121ドル
・30-Day Pass with Bike:141ドル
One-Wayは、メトロと同じ2.75ドルです。わかりやすいですよね!
なお、将来的にはフェリーにもメトロパスで乗り入れが可能になるといううわさもあるようですが、2019年4 月現在は両者の運航は全くの別物です。メトロパスを使うことはできませんので注意して下さい。
NYC Ferryの乗り方
フェリーの乗り方はとても簡単です。
チケットを購入したら、乗車時間に各Pierに行きましょう。Wall Stや34Stの場合は各ラインに列が出来ているはずです。
たとえば、ERラインなら青色の立て看板があるところに列を作っておけばOKです。特に迷うことはないと思います。
係員がチケットを回収してくれます。チケットを渡したらそのままフェリーに乗り込めばOKです。
スマホでチケットを購入した場合は、Activateした画面を係員に提示すればOKです。
なお、Activateしてからの有効期限は90分間ですので気を付けてください。
チケットの購入方法については、別途下でも詳しく解説します。
NYC Ferryを利用するメリット
続いて、NYC Ferryを利用していて私が感じるメリットを3つ、ご紹介します。
メリット1:地下鉄の代替手段
一つ目のメリットは、地下鉄の代替手段としての役割です。
在住の方は誰もが経験すると思いますが、ニューヨークの地下鉄は生活の足であるにもかかわらず、本当に工事が多く、特に土日は毎週末どこかしらが工事を行っています。
我が家はQueensに住んでいますが、Grand CentralとJackson Avenueをつなぐ7番線の間が工事でマンハッタンへ物理的に渡れないという経験にもしばしば遭遇します。
もちろん、Eラインなどへの振替輸送は行われますが、7番線が死んでしまうと結構な混雑ぶりで、結局マンハッタンに出るのを諦めることもしばしばです。そんなときに、フェリーという代替手段があることで、イーストリバーを超えてマンハッタンへ渡ることが出来るのはとても助かります。
メリット2:バリアフリーで移動可能
2点目は、フェリーならではのバリアフリーという利点です。
地下鉄で移動する場合、マンハッタン内でもグランドセントラルやタイムズスクエアなどを除く地下鉄の駅ではエレベーターがないことも多く、苦労します。
特に我が家のようなストローラーのある子連れにとっては、地下鉄での移動はハードルが高く、「地下鉄が大変だから行くのは見送ろうか・・・」ということもしばしばです。周囲の助けや理解というソフト面ではニューヨークは日本よりも相当恵まれていると思いますが、ハード面を考えると移動はかなり億劫に感じます。
この点、フェリーでの乗り降りの場合、階段の上り下りの必要がないので、ほぼバリアフリーでの移動が可能です。
これは本当にありがたいメリットで、我が家の場合、ほとんど毎週末のようにNYCフェリーのお世話になっています。
フェリー内部には、売店も設置されています。また、トイレも設置されており、非常に利便性は高いと思います。
メリット3:快適性や景観
3つ目のメリット、それは「単純に気持ちいい」という乗り心地の問題です。
実際にこちらで生活するまで気づきませんでしたが、ニューヨークの地下鉄ははっきり言ってしまえば、3K(古い・汚い・臭い)の時代遅れのインフラだと思います。
地下鉄構内にアートがあったり、地下鉄車内でパフォーマンスをする人がいたりと、ニューヨークの文化を形作っているものの一つであることは否定しませんが、同じ地下鉄でも例えばNJ行きのPATHや、ワシントンD.C.の地下鉄と比べると、快適性の面ではぐっと落ちてしまいます。
この点、NYC Ferryはとても快適です。
フェリー内部はとても清潔で乗客も地下鉄ほど多くなくて快適です。スペースも広いので、ストローラーも気兼ねなくを載せることが出来ます。
↓はフェリー内部の様子です。ストローラーや車いすが横置き出来るスペースも十分あります。
また、晴れた日にはイーストリバーからの素晴らしいマンハッタンビューを楽しむことも可能です。
下↓は2階デッキの様子です。吹き抜けなので、夏場はイーストリバーの風を感じられてとても気持ちいいです。
フェリーに乗るというだけで、何となくちょっとお出かけするようで、毎回ワクワクします。これは地下鉄で出かけるときには感じることのない感情です(私だけ?)。
NYC Ferryのチケットの購入方法
NYC Ferryを使ったことがないという方のために、チケットの購入方法を画像付きでご紹介します。
券売機での購入
観光でニューヨークに来られる場合や、ちょっと試しに乗ってみようかな・・と思う方は券売機での購入をまずは試してみてください。
手順はとっても簡単です。
まず、フェリー乗り場にあるこんな券売機を見つけてください。
画面がちょっと反射していて見づらいと思いますが、スタートするには右下のDボタン(Press to Begin)を押します。
続いてチケットの種類を選択します。通常であればAの「ONE WAY」の選択でOKです。
続いて、人数を選択します。Aボタンが「チケットの枚数を増やす」、Bボタンが「チケットの枚数を減らす」です。
枚数が選択し終わったら、Dボタンの「PAY」を選択して決済へと進みます。
正しいことが確認出来たらコインを入れるか、クレジットカードを挿入して決済してください。
チケットは下の口のところから出てきます。
これだけです。バスなどに比べると路線も少ないですし、とてもシンプルだと思います。
アプリでも購入可能
NYC Ferryにはアプリもあります。
2回以上利用予定があるという方はアプリの入手が断然便利です。アプリなら運航状況やスケジュールがぱっと確認が出来ます。
アプリでのチケットの購入方法も解説しておきます。直観的に操作が出来ると思います。
まずは、アプリをダウンロードしてください。Appストアで「NYC Ferry」と入れて検索すれば出てきます。
ダウンロード出来たら、アプリを開いて左下の「TICKETS」を選択肢して、「BUY TICKETS」をクリックします。
続いて、購入するチケットの種類を選択します。人数も右側の+/-ボタンで変更できます。
確認の上で、「ADD TO CART」を押してください。ここでは2枚分のチケットをカートに入れています。
カートの中身を見て、正しいことが確認出来たらチェックアウトです。
最後は支払情報の入力です。決済はクレジットカードのみのため、初めての方はここでカード情報を入力してください。
すべて完了したら、「PLACE ORDER」を押せば完了です。
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NYC Ferryで行けるお勧めスポット
最後に、NYC Ferryで行けるお勧めスポットを3つご紹介します。
Kenji
どれも私が自信を持ってお勧めできる、地元に住んでいるからこそわかる観光スポットです
ピクニックに最適:ガバナーズ・アイランド
まず一つ目のおすすめがこちら。ガバナーズ・アイランド(Governors Island)へのピクニックです。
ガバナーズ・アイランドは、夏の5月~10月の間だけオープンする、マンハッタンの南端から5分ほどのところに位置する小さな島です。
中にはプレイパークや野球場、広大な林、噴水のある公園などがあり、NY市民たちが週末の憩いの場として訪れる、いわば「ピクニックの聖地」です。
眼下の向こうにはウォールストリートのビル群をくっきりと認めることが出来ます。天気のいい日は島の中を散歩をするだけでもとても気持ちいいです。
ちょっとした岩山もあって、アスレチック気分を楽しむこともできます。
ガバナーズ・アイランドへはロウワ―マンハッタンのスタテンアイランドフェリーの東側、バッテリー・マリタイムビルからフェリーが出ていますが、実は週末限定でNYC Ferryを使っても行くことが出来ます。
ガバナーズアイランドの公式ウェブサイトは下記から確認が出来ます。
観光で日本から来られる方もちょっと普通と違った観光をしてみたい、地元っ子が行っている場所を訪れてみたい、あるいはマンハッタンの喧騒にちょっと疲れたなどというときは、時間が許せばNYC Ferryを利用しがてらぜひこの島を訪れてみてはいかがでしょうか。
運航フェリー:SBライン、ERラインでGovernors Island下車
マンハッタンを一望:ロングアイランド・シティ
続いては、ちょっと通なマンハッタンの眺望の楽しみ方です。
皆さんはマンハッタンの景色を楽しみたいというとき、どこに行きますか?Top of the Rock、Dambo、クライスラービル・・・どれもおすすめですが、意外と知られていない穴場スポットが、ロングアイランド・シティ側から見やるマンハッタンです。
天気の良い日には、イーストリバーの対岸からとてもクリアにマンハッタンの全景を眺めることが出来ます。
4月にはイーストリバー沿いのHunters Point South Park内に植えられた桜も咲き乱れます。マンハッタンをバックにした桜を取りにカメラマンが訪れるくらいです。公園は付近に住んでいる家族連れでいっぱいになります。
運航フェリー:LESライン、ASTラインでLong Island City、あるいはERラインでHunters Point South下車
ブルックリン・ブリッジをフェリーから楽しむ
最後はブルックリン・ブリッジです。
フェリーでは、ブルックリン・ブリッジの真下を通ることができます。
フェリーはブルックリンブリッジの橋のすぐたもとに降り立ちます。ここからブルックリンブリッジと一緒に撮影するととてもきれいな写真が取れます。
周辺にはカフェやピザ屋さんが軒を連ねているので、そこでお腹を満たすもよし、川沿いを散歩するのも良しです。
ひとしきり周辺を楽しんだら、ぜひブルックリンブリッジを歩いて渡ってみてください。
ウォールストリートに降り立つまでに40-50分程度ウォーキングが必要ですが、これもやはり晴れた日の観光コースとしては素晴らしい思い出になるはずです。
運航フェリー:SBライン、ERラインで、DUMBO下車
以上がNYC Ferryの3つのおすすめスポットでした。
もちろん、これだけでなく単にイーストリバーを対岸へ渡る足として、あるいはマンハッタンをイーストリバーから南北に移動するための足としてもNYC Ferryはとてもおすすめです。
まとめ
今日はNYC Ferryの使い方とその魅力をご紹介しました。
ご存知の方も多いと思いますが、マンハッタンは南北約20キロ・東西約4キロ、山手線内部に収まるくらいの小さな島です。フェリーのポイントからマンハッタンの街並みを眺めながらお目当ての観光スポットまで歩いて移動する、なんていう楽しみ方もできます。
我が家は特に子どもが産まれてからはもっぱらこの方法で移動しています。散策がてらフェリーのポイントから歩いていくと、思ってもいなかった新しいお店や街並みに出会えるのがとても楽しいです。
ニューヨーク在住の方はもちろんのこと、日本から観光で来られる方もフェリーはなかなか利用する機会がないと思いますので、ぜひ利用されてみてください。
参考記事です。
こちらは公共交通機関ではありませんが、NYCで展開されているバイクシェアプログラム、CitiBikeについて解説したエントリです。
自転車も線と線をつなぐ移動手段という意味では、地下鉄では見ることのできない街並みを楽しむことが出来ておすすめの移動方法です。
【節約・運動に便利】ニューヨーク在住者が教える:シティバイク(Citibike)の活用法
ニューヨーク観光情報のエントリではもうひとつ、ブロードウェイ・ミュージカルのチケット購入方法をご紹介したこちらのエントリをお勧めします。美術館にミュージカルにお買い物にグルメ・・・お勧めスポットがたくさんありますが、今回紹介したNYC Ferryもぜひ取り入れてみてください。
【2018年版】NYブロードウェイミュージカルを格安価格で観る方法を5つ一挙紹介!
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初めまして。もうすぐ渡米するので拝見させて頂きました。ガバナーズアイランド行きたいです。お聞きしたいのですがNYCFerry で夜Dumbo~34thまで行く予定なんですがそこから34th歩いてホテル(Times)まで帰ろうと思うんですけど夜9時過ぎ乗り場から34th歩くのって危ないでしょうか?夜景を撮影して帰るとどうしても9時過ぎになるのでちょっと心配です。色々教えて頂けると助かります。宜しくお願いします。
Masamiさん、
コメントありがとうございます。34th のすぐ近くにはNYUもありますし、私も夜8時~9時に何度か利用したことがありますが、怖い思いにあったことはありません。ただし、3rd stくらいまでは夜は人通りがすくなくなります。暗いところもあるので、初めてでしたらUberやLyftを利用された方が確実だと思います。
有難うございます。Uberまだ使った事ないんです(;。;)34th歩いて夜のEmpireを撮りたいってのもあって出来れば歩いて行きたいんですけどやはり乗り場辺りが不安ですね。早足で行けば大丈夫でしょうか?あとCircle lineのナイトクルーズ行ければ行きたいんですがこちらも9時過ぎに42ndを歩かないと行けないんですがどうでしょうか?Uber頼んでもほんの少しの距離だと思うんですが引き受けてもらえるんでしょうか?宜しくお願いします。ツイッターフォローしました。色々済みません(;。;)
Masamiさん、
昨日別にコメントをさせて頂きましたが、今の時期は日が長く、8時半過ぎくらいまでは明るいです。暗くなると治安が悪くなりますが、だからと言って9時を過ぎるとすぐ悪くなるということはありません。状況や使うStreetによっても変わるはずです。個人的な感覚では、マンハッタン内であればハーレムなどの一部地域を除いて大通りを利用している限りさほど問題ないと思いますが、一概には言えません。私個人の印象に過ぎませんので、もしご心配でしたら下記の口コミサイトなどで他のロコの方へも質問されてみるとよいと思います。ニューヨーク旅行ぜひ楽しまれてください。
https://traveloco.jp/new-york
ブログ運営者様
平素より楽しくブログを拝見させていただいております。
私はTrip-Partner社の記事Director範國(ノリクニ)です。
弊社はTrip-Partner(https://trip-partner.jp/ )という新しい海外情報メディアの立ち上げを行っております。
是非、貴ブログのような、海外旅行者にとって内容に富んだ記事を弊社サイトでも投稿して頂きたいと思いまして、ご連絡差し上げました。
報酬としては2000文字程度で2500円を考えております。
もしご興味御座いましたら範國宛(director@trip-partner.jp)にメールを頂くことは叶いますでしょうか?
具体的な依頼内容等について相談させていただきます。
何卒宜しくお願い致します。
範國
範國さま:
お問い合わせをありがとうございます。
現時点では他サイトへの投稿は考えておりませんが、また機会があればよろしくお願い致します。