ポルトガル旅行の特典航空券発券:アメリカ駐在員が考えるデルタ・スカイマイルの価値

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初めてこのブログにお越しの方は、アメリカ駐在員が年間100万マイル&ポイントを貯めた方法をまとめた>こちらのエントリ<からご覧ください。

 

こんにちは、アメリカ駐在員のKenji(@sorakoge)です。

 

前回のエントリに続いてデルタ航空の特典航空券についてです。今日は、デルタスカイマイルの価値について考えたいと思います。

 

デルタ航空の特典航空券は需給に応じた変動制・レベル制で、需要があるシーズン・チケットほど特典チケットの手配に必要なマイル数が多くなります。そのため、相対的にマイル価値が低くなりがちで、一部ではデルタマイルを「空のスカイペソ」と揶揄されているほどです。

 

今日はそんなデルタマイルの価値について、私が最近手配した特典航空券を例にとって考えてみたいと思います。




デルタマイルに対する巷の評価

まず、私が今回手配したチケットを紹介する前に、デルタマイルに対する巷の評価から見てみましょう。

いくつか検索に引っ掛かるブロガーさんたちの記事を拾ってみます。

 

私が今回見た中では一番詳しい評価をされていたのが、『デルタマイルをANAマイルに!』さんの下記記事でした。

ご自身でも100万マイル以上のデルタマイルを獲得された上で、デルタマイルよりもANAマイルを貯めることの方がいかに合理的・効率的かということを丹念に解説されています。

 

地域別にデルタ航空での特典航空券と、ANAマイルでの特典航空券の比較を行っていて、とても参考になりますね!相当な時間と労力をかけてリサーチをされたことが見て取れます。

 

この記事だけみても、デルタのスカイマイルが一般的にはいかに他のマイルプログラムと比べてコストパフォーマンスが悪いのかということがよくわかります。

 

続いて、私もよくチェックさせていただく『Halohaloとマイル旅行』さんの記事です。

記事タイトルが「【正直オススメできない】デルタ航空スカイマイルの貯め方まとめ!ワンスイートに使おう!」と、Halohaloさんのスカイマイルに対する考え方が端的に表れているな~と感じます。

 

最後はアメリカのブログから、The Points Guyが紹介しているデルタマイルの使い道、そのスイートスポットを考察した記事です。

紹介されているスポット全てがお得な使い道だとは思いませんが、タヒチやモルディブへの特典フライトも紹介していて、上2つとは違う視点が得られるはずです。しかし、Bottom LineではPatienceが必要と締めくくっているのが印象的です。

 

色々記事はありますが、全体的にはやはりデルタのマイルプログラムに対する評価は、渋め・辛口なものが目立ちます。

 

就航路線の多さやサービスは文句なくトップクラス、マイルは有効期限なし(無期限)という素晴らしいフルサービス・キャリアであるにも関わらず、必要マイル数の高さがマイラーの評価を台無しにしているといっていいと思います。

 

有償で乗る北米ビジネスパーソンにとっては路線数の多さから頼れる4番バッター、マイラーにとっては貯めやすいけれど使いにくいスーパーサブか補欠バッターといった位置づけ。それがデルタのスカイマイルだと思います。

 

私が手配した特典航空券

では、そんなデルタのスカイマイルを利用して、私が手配した特典航空券と、その利用価値をご紹介します。

 

まず、私が手配した特典航空券は、往路がJFK発リスボン行き、復路がバルセロナ(BCN)発JFK行のデルタ・メインキャビン(エコノミー)便で、いずれも経由地のない直行便です。

掛かったマイル等は、往復でデルタマイルが2名分で14.2万マイル、これに空港諸税が93ドル(約1万円)でした。

年末カンクン旅行のようにビーチリゾートも捨てがたかったのですが、東海岸からはヨーロッパもそれなりに近いので、駐在中に一度は行ってみたいな~と妻から希望を聞いていました。

 

ポルトガルに対するあこがれのようなものもあります。

食べ物が美味しい、物価が安い、治安が良い・・・と調べていくうちに引き込まれました。ポルトガルへは日本からの直行便はないので、帰国後は縁遠くなってしまう場所だろうなぁと思ったこともあり、じゃあこのタイミングで行ってみるか!という話になりました。

 

難点は、往復ともにビジネスクラスが取れなかったこと(デルタではデルタ・ワンのマイルがFクラス並みに高騰していてとても無理でしたし、アメリカンでもビジネスは経由便のヒースローで20時間近く待たされる便しか見つけられませんでした)と、往路便の機材にはパシネットの設定がないと言われてしまったことです。

 

乳幼児連れで7時間のフライトが大丈夫なのか・・・という不安はありますが、ここを逃すとなかなか行く機会はなかろうと思い予約に踏み切りました。

 

また体験談は行ってみてからの別記事に起こしたいと思います。

 

スカイマイルの価値はどうだったのか

さて、では実際のところ、スカイマイルの利用価値はどうだったのでしょうか?有償手配の場合と、ANAマイルを使ったスターアライアンス運航便での特典航空券の手配のケースを使って比較してみたいと思います。

 

有償でデルタ便を手配する場合

まず、こちらは同一旅程、有償の航空券の場合です。

有償手配の場合、同一旅程で諸税込み、1,800ドル(約20万円)でした。

諸税を除いたチケット代が1,620ドル(約18万円)、使ったマイルが14.2万マイルだったので、マイル単価(価値)は1.25円くらいの計算になります。

 

ANAマイルを利用する場合

続いてANAマイルを利用するケースです。

 

ANAマイルも数万マイルがあったのと、アメックスのMRポイントもANAマイルに1:1でトランスファーが可能なので、ANAマイルを利用して提携航空便を手配することも考えました。

スターアライアンス系列では、ポルトガルの基幹航空であるTAPポルトガル航空が加入しています。したがって、北米からでも他社運航便で特典航空券の手配が可能です。

 

そこで、ANAマイルを利用した際の必要コストと比較してみました。

 

条件を同じにするためにデルタのチケットを手配した同日に調べたのですが、既に特典航空券の空きはありませんでした。仕方がないので、数日ずらして検索したところ、往路・復路ともに経由便で特典航空券の枠が検索できました。結果がこちらです。

必要マイル数は11万マイルで、その他に燃油サーチャージ&空港諸税等が7.4万円かかるという結果が出ました。

 

必要マイルはデルタよりぐっと下がるのですが、サーチャージが高いですね。。(※)

 

提携航空会社によってサーチャージが掛からないケースもある(例えば、ユナイテッド便などであればサーチャージ不要)ので、もう少し探してみましたが、さらに高いケースが出てきてしまいました。。

片道ビジネスの発券ですが、同旅程で14.3万マイル+15.4万円の燃油サーチャージ&空港諸税等です。

さすがにこれはちょっと手が出ないな~と思ったので、この時点でANAマイルを使うことは諦めました。

(※)4月からサーチャージが大幅に下がっているので、いま検索するとこれよりもかなり安い価格になるはずです。ただ、私の日程での特典航空券の空席はもうありません。

 

スカイマイルを貯めるメリット

実際のところ、最初はANAのマイルを利用するつもりだったので、今回の旅程で検索したのはANAマイルでの手配が最初です。

次にアメリカンで探してみて、最後に当たったのがデルタ航空の特典航空券でした。(アメリカンでも手配できるだけのマイルはありましたが、特典航空券では自宅から遠いニューアーク空港(EWR)への発着しか手ごろなものが見当たらなかったので早々に諦めました。)

 

結果的にデルタのスカイマイルを利用しましたが、スカイマイルが優れている理由は、以下の2点に集約されるのかなと思います。

 

サーチャージまで考慮すると価値が高い

ひとつめの理由は、日系航空会社の場合に課される高いサーチャージの存在です。

 

上に記載した通り、同一チケットをキャッシュで手配した場合のコストは1,800ドル(=約20万円)。デルタのスカイマイルを使った特典航空券の場合のマイル単価(価値)は1.25円くらいの計算でした。

 

他方、ANAは同じ路線を飛ばしていないため有償での手配の場合の比較が難しいですが、仮にデルタと同じ18万円程度での手配が可能とした場合、11万マイルですのでマイル単価は1.6円くらいの計算になり、デルタスカイマイルよりもマイル単価は高くなります。(TAPポルトガル航空を有償手配すると、単価はもっと低くなります)

ただし、これとは別に7.4万円のサーチャージ&空港諸税等が発生してしまいます。しかもマイルで手配できるのは乗継便のみです。

 

ANAよりデルタは3.3万マイル、必要マイルが多くなりましたが、ANAでの手配の場合約6.4万円(=7.4万円-デルタの諸税93ドル)の追加キャッシュが必要です。さらに、デルタなら往復ともに直行便です。

 

いかがでしょうか。

こう考えると、デルタマイルが使えないマイルプログラムだとは言い切れない気がしませんか?


Kenji

むしろ、今回の場合はデルタマイルを貯めていてよかったな~と実感させられました。

マイルが足りずにエコノミー便での手配になりましたが、ANAマイル(スターアライアンス)、AAマイル(ワンワールド)、デルタマイル(スカイチーム)のすべてのマイルを貯めていたからこそ、3つのマイルで一番自分の希望にあったフライトを選ぶことが出来ました。

 

そして、それはなんと一番期待していなかったデルタ航空でした。

 

約20万円のフライトチケットがスカイマイル利用で1万円の諸税のみで手配出来たので、18万円以上をセーブすることが出来ました。そして、デルタマイルの元手はといえば、クレジットカード発行で貯めたものですので、実質無料です。

デルタマイルに感謝ですね!

 

デルタマイルは北米在住者には貯めやすい

二つ目の理由は、マイルの貯めやすさです。

 

デルタマイルは、北米在住の人には貯めやすいマイルプログラムのひとつです。理由は簡単、アメックス・デルタゴールドがあるからです。

 

アメックスはビジネスカードの発行も条件が緩やかなので、ご家族で駐在されている方でしたら2名分 x パーソナル&ビジネスで合計4枚のチャンスがあります。

そしてデルタゴールドは初年度年会費が無料です!

 

日本のデルタゴールドは初年度から年会費が26,000円+消費税ですから、それだけを取って見ても北米のクレジットカードボーナスがいかに恵まれているかがわかると思います。

 

アメリカのアメックス・デルタゴールドは頻繁にカードプロモーションを行います。

公式サイトのプロモーションは終わってしまいましたが、リファーラル経由でのサインアップは2019年5月1日まで生きています。パーソナルゴールドの場合、リファーラル経由の申請で6万マイル(+50ドル)のマイルがケットできます。

 

4枚分をうまく申請・獲得出来れば、6万マイル x 4 = 24万マイルです。さらに、夫婦間でうまくリファーラルが使えれば3万マイルの紹介マイルで最大27万スカイマイルが獲得できます。

もちろんボーナスは場合によっても変わるので筋書き通りにはいきませんが、初年度年会費無料のデルタゴールドだけでも20~30万マイルの大量マイルをゲットできるチャンスがあるのが、デルタマイルの優れた点だと思います。

 

スカイマイルは価値が低いから・・・と思わされるエピソードがあるのも事実ですが、うまく使えばANAマイルにも劣らぬ価値を発揮してくれるマイルプログラムだと私は思います。ぜひ選択肢のひとつに入れてみてください。

 

カードスペックやプロモーションの内容、リファーラルリンクについては下記エントリで解説しました。よろしければご参照ください。




私の失敗

今回の特典航空券発券はすべてがうまくいったように見えますが、実はいいことづくめというわけでもありません。

実際、あ~あと思わされた失敗が2点あります。それを今後デルタスカイマイルで特典航空券を・・・と考える方のためにシェアしたいと思います

 

失敗①:必要マイルが上がった

一つ目の失敗。それはチケットの手配を色々迷っているうちに、デルタの特典航空券の手配に必要なマイルが上がってしまったことです。

 

こちらが我が家が実際に手配した特典航空券。

そして、こちらが実際の手配のわずか3日前に検索を掛けた際の結果です。(もちろん、同一旅程です。)

3日の間になんと必要マイルが1万マイルも増加してしまいました。

これにはびっくりしました。デルタは特典チャートを公表していないため、需給(残席シート数)に応じてどんどん必要マイル数が上がっていってしまいます。

 

3日前に検索したときにすぐに抑えなかったことを歯噛みしましたが、仕方ありません。

 

特典航空券を使った旅程はとにかく早く計画すること、そしてよい旅程が見つかったらその場で抑えるのがポイントですね。

 

(ちなみに、前回のエントリで特典航空券の手配方法をキャプチャした際に出てきたのも同一旅程です。この記事を下書きしたのはチケットを押さえてから10日後ですが、10日の間に必要なマイル数が14.2万マイル→15.8万マイルにさらに1.6万マイルも増加していました。)

 

失敗②:E-Giftカードが使えなかった

失敗の2点目はこれです。今回、E-Giftカードを使うことが出来ませんでした。

 

昨年のアメックス・デルタゴールドの申請の際に無料で手に入れたE-Giftカードが100ドル分あったので、空港諸税で支払ってキャッシュアウトゼロで特典航空券の手配が出来ました!と報告したいな~と思っていました。

しかし、いざ使おうと思ってびっくり。なんとGiftカードにはいくつかタイプがあり、私が受け取ったE-Giftカードは航空チケットの購入にしか使うことが出来ませんと断られてしまいました。。

 

下記↓がホームページに掲載されているギフトカードに関するFAQです(原文はこちらにあります)。

「空港輸送に掛かる税金」という部分が諸税に当たると思うんですが・・・謎です。

ギフトカードは、航空輸送にかかる税金、手数料、サーチャージを含む航空輸送の代金にのみご利用いただけます。追加の手数料(手荷物手数料を含む)、またはその他の商品やサービス(アップグレード、機内でのお買い物、プレミアムシート、マイレージ ブースター、スカイマイルクルーズ、貨物、ホテルご宿泊、レンタカーを含む)に対して利用することはできません。

他のオペレーターに掛ければ違う回答が得られたかもしれませんが、早くチケットを抑えてしまいたいと思っていたので、掛け直す気にはなれませんでした。

どなたか違う経験をお持ちの方がいらっしゃったら、コメント欄などで教えてください。

 

スカイマイルについての考察まとめ

2回にわたりデルタ・スカイマイルの使い方と、その利用価値について考えてきました。

 

デルタマイルに対してなんとな~く使い勝手が悪そう、価値が低そう・・・と思っているマイラーは多いと思います(私もその一人でした)が、実際は使い方次第だということがわかって頂けたかと思います。

ANAマイル一辺倒、アメリカンマイル一辺倒・・・ではなくて、色々なマイルを貯めておくことで幅広い選択肢の中からベストなプランを選ぶことができるということが伝われば幸いです。

 

参考記事です。

 

4枚27万マイルを狙うためにはビジネスカードの申請が必要です。

アメックスのビジネスカードは個人でも比較的簡単にアプルーブされます。申請のコツは下記のエントリで画像付きで解説していますので、よろしければご参照ください。もちろん、Blue Business Plusというカード自体もとてもお勧めです。

エントリの途中でもご紹介しましたが、アメリカのアメックス・デルタゴールドカードに関するスペックは、下記のエントリでご紹介しています。リファーラルリンクも合わせて掲載してありますので、他に当てがないという方はよろしければお使いください。



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Kenji

斎藤ケンジ(Saito Kenji) 30代男性、2017年夏からアメリカ・ニューヨークに駐在して2019年7月に日本へ帰任。 ニューヨークでは長男に恵まれ、妻と3人でマイル&ポイントを駆使しながら旅行を満喫。物価が高いアメリカ生活での生活事情、お金の運用や節約について奮闘するさまを見てやってください。

2件のフィードバック

  1. Calie より:

    いつもブログを参考にさせて頂いています!マイルの使い方の記事、アップありがとうございます。私もデルタはよく利用するのですが、特典航空券のマイル数を毎日チェックしていると、一度マイル数が上がった区間が、数日後下がっていたりする事がありました。一概に上がりっぱなしという訳でもないのですね。
    これだけITが発展している国で、乳幼児の電話予約は、何とかして欲しいところですね^_^;

    • Kenji より:

      Calieさん、

      コメントありがとうございます。
      デルタの必要マイルは下がることもあるんですね!それは知りませんでした。諦めずに見ていれば、後日拾い物があるかもしれませんね。

      乳幼児は本当に困りものです・・仕方がないので、当日朝早く行くしかありません。。事前に希望を入れる意味もよくわからないです。

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