CIC(シーアイシー)がクレジットスコアの開示を開始。影響要素や米国の信用情報(クレヒス)との違いなどを解説
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こんにちは、アメリカ駐在員のKenji(@sorakoge)です。
11月28日から日本のCICが個人のクレジットスコアの点数開示を開始しました。本日はその内容についてサクッと解説します。
Kenji
日本では信用情報は長らくブラックボックスとされて来ましたが、これにより我々消費者側も簡単にスコアを確認出来るようになります
11月28日よりCICがスコア開示を開始
CICとは
CICとは消費者の信用情報を一元管理する国指定の信用情報機関、シー・アイ・シーの会社名を取ったものになります。
株式会社シー・アイ・シー(以下、CIC)は、クレジット会社の共同出資により、昭和59年に設立された、主に割賦販売や消費者ローン等のクレジット事業を営む企業を会員とする信用情報機関です。
また、CICは、割賦販売法および貸金業法に基づく指定信用情報機関として指定を受けた唯一の指定信用情報機関です
クレジットスコアは200〜800点の範囲で点数化されることとされており、クレジットカードの作成時にカード会社が発行可否やクレジット枠の判断など審査の際に参考とされる他、将来的には銀行からのローン実行時など、消費者がカード会社や金融機関のクレジット枠を利用する際に参照されることが想定されます。
Kenji
いわば個人の「信用の通信簿」ですね!
信用情報とは、クレジットやローンの契約や申し込みに関する情報のことで、客観的な取引事実を登録した個人の情報です。
そして、この信用情報は、クレジット会社が顧客の「信用」を判断するための参考資料として利用されます。
過去、日本ではこの信用情報は原則消費者側に開示がされてきませんでしたが、この11/28よりスコアレポートの情報開示手続きがスタートした、というわけです。
日本の信用情報機関は3社あり
少し脇道にされますが、日本に個人向けの信用情報を管理する機関は大手では3つ存在します。
日本の3大信用情報機関
・CIC/シーアイシー:主にクレジット情報を管理
・JICC/日本信用情報機構:主に消費者金融情報を管理
・JBA(KSC)/全国銀行個人信用情報センター:主に銀行・信用金庫の情報を管理
Kenji
ざっくりいうと母体の違いで、CICはクレジット会社系、JICCは消費者金融会社系、JBAは銀行系の信用情報機関ということです
スコア開示までの流れ
スコア開示までの流れを図示したのが下表になります。
Step1:CICへの開示申し込み
Step2:本人認証手続き
Step3:レポートの開示
と簡単3ステップです。
郵送でも手続き可能ですが、インターネット経由が早くて、かつ料金も安いので良いですね!もう開示を受けている方も複数出ていますが、オンラインとカード利用での手続きであれば、ほとんど即時対応でレポートが確認できます。
なお、個人への開示は11月28日から開始されましたが、スコアの金融機関への開示は2025年4月1日から開始になります。
クレジットスコアの決定要素
続いて、CICが公表したクレジットスコアの決定要素について解説します。
スコアの決定要素と、各要素の比重は以下のとおりです(出典は>こちら<です)。
日本のクレジットスコアの決定要素
・支払状況:36.5%
・利用残高:31.8%
・契約数:13.6%
・契約期間:13.6%
・申込件数:4.5%
合計100%
以外、幾つかコメントを加えておきます。
支払状況は支払遅延や延滞などが考慮される
最もスコアに影響のあるのが当然ながら支払い状況で、比率は36.5%です。
我々はカード会社から資金をいわば「一時的に借り入れて」ショッピングを行っているわけですから、カード会社にとっては回収可否が一番大きな関心事です。
これを考えると支払い遅延は絶対にNGで、スコアへの悪影響が最も懸念される行為です。
Kenji
私も過去に数回銀行口座の設定が間に合わなかったり、口座残高の資金不足でカードの支払いが間に合わなかったことがあり血の気が引きました・・・・
申込件数は比率が少ないが・・・
他方、決定要素として最も比重が小さいのが申込件数で、比率は4.5%に留まります。
とは言っても、気にせずどんどんカードの申し込みをしてよい・・・ということではなく、あくまで定量的なスコアに与える影響が高くないと捉えるべきでしょう。
実際、カード会社はカード作成の際の申し込み時や更新時にクレジットチェックを掛けると言われていますから、チェック回数が多ければ多重債務者を疑われたりして審査にはマイナスに働くことがありこそすれ、ポジティブになることはないでしょう。
ちなみに、このクレジットスコアは「クレジットガイダンス」という手続きに沿って、我々のカード申し込みなどの際にクレジットカード会社からの照会に応じてスコアレポートが開示される仕組みです(以下はCIC公式サイトからの抜粋です。写真をクリックすると拡大します)。
米国のクレジットスコアとの違い
ここからは主に米国居住者向けに、米国のクレジットスコアシステムとの違いなどについて深掘りして解説を加えたいと思います。
アメリカのクレヒスはFICOスコアがベース
アメリカのクレジットスコアはthe Fair Isaac Corporationという会社が開発した「FICOスコア」をベースにして、以下の3社の大手信用保証機関がスコアを提供しています。
FICOスコアも点数制で、最低300点から最高850点までの間の1点刻みのスコアで表示されます。
アメリカの大手信用保証機関
・エキファックス(Equifax)
・エクスペリアン(Experian)
・トランスユニオン(TransUnion)
クレヒスの評価比重
続いては、アメリカのクレヒスの決定要素も振り返っておきましょう。それがこちらです。
米国クレジットスコアの決定要素と比重
・支払状況(35%)
・借入残高(30%)
・クレジットヒストリーの長さ(15%)
・カード作成履歴(10%)
・クレジットカードの種類・使われ方・用途(10%)
これを見ると、評価要素と比重はおおむね米国も同様です(というか、米国は古くからクレジット社会ですから、日本が米国を参考にしている、と表現した方が適切かもしれません)。
多少目につく違いとしては、申込件数の比重が日本(4.5%)よりも米国(10%)の方が高いことでしょうかね。。
日本は成人のカード保有枚数の平均が3枚と、米国のそれ(3.8枚)よりもすくないですから、評価の際も他の要素の比重を上げた方が適切にスコアが算定できるということなのかもしれませんね。
米国のクレジットスコアは無料でチェック可能
日本との違いとして、米国のクレジットスコアは即座に、無料で確認できます。
ChaseやDiscoverなど、各銀行でクレジットスコアを確認できることも多いですし、第三者のウェブサイトでも確認可能です(もちろん、フルレポートは参照できません)。
例えば、Credit Karmaというサイトでは、3大信用保証機関の一つであるTransUnion社から提供を受けたデータをもとに、クレジットスコアと各評価要素の現状(良い評点がついているのか、それとも注意が必要かなど)を知ることができます。
Credit Karma is not a credit reference agency. This means we don’t collect information about you directly from your account providers. We also can’t amend or update this information, and we don’t control the information that appears on your credit report.
It comes from TransUnion, one of the three main credit reference agencies in the UK. Credit Karma partners with TransUnion to give you access to your TransUnion credit score and report.
TransUnion receives information about you that is reported directly from financial institutions, utilities service providers, local authorities, courts and insolvency services. Credit Karma requests your credit score from TransUnion via a limited form of Data Subject Access Request (DSAR) that we make on your behalf, with your consent. You can see this request marked Consumer Credit File Request in your Search history, under Soft Searches. Soft searches don’t have any impact on your score and they can’t be seen by any third parties that may check your credit report.
Credit Karma uses the information shared by TransUnion to present your free credit report, personalised with actionable tips and suggestions, and help you better understand your financial situation.
Credit KarmaはSSNさえ持っていれば誰でも登録可能です。登録料も、月々の利用料金も基本は無料です(一部有料サービスあり)。興味のある方は以下ページから登録可能です。
Kenji
私も米国駐在時代は月に2度、3度とアクセスして、内容をチェックしていました
まとめ
本日は、11月28日から開始されたCICのクレジットスコアについて、内容や評点の決定方法などを解説しました。
スコア制度の導入と、来年から金融機関へも開示がスタートすることで、陸マイラーはこれまで以上に信用情報に留意しながらクレジットカードの発行や、日々の利用・返済などに気遣っていく必要がありそうですね。
CIC💳
テレ東で信用スコアが具体的にどの程度キャッシュフローに影響するかを例示してました。30年固定金利の場合
✅スコア760-850の場合6.98%
✅スコア620-639なら8.57%
と、なんと【1.6%】も金利条件に違いが出るそうです😳日本もスコア開示が始まってローン借入前は睨めっこになりますかね🤔 pic.twitter.com/HD1ZKbpvOR
— Kenji🇺🇸🇯🇵日米陸マイラー兼ブロガー (@sorakoge) November 30, 2024
参考記事です。
私のブログで多く取り上げているのが米国のクレジットカードの作成や、カード作成で溜まったマイル&ポイントの有効活用に関する情報になります。米国のクレカに興味のある方、これから米国へ赴任予定のある方などは、下記のエントリをご覧になってみてください。
【駐在員向け】アメリカでのクレジットカードの作り方からクレジットヒストリーの構築法、おすすめの最初のクレジットカードまで徹底解説
【駐在員向け】ANA CARD USAで定収のない配偶者のクレジットヒストリー(クレヒス)を構築する方法
CICの発表を受けてクレヒスへの影響が気になる・・・という方は、クレヒスに影響のないデビットカードを作成するという陸マイラー活動の方法もあります。いまも現在進行形でプロモーションが続いているタカシマヤプラチナデビッドカードはクレカのプロモーションよりも条件が良く、文句なしでおすすめです。
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