IHGグループが台湾など一部ホテルを対象にポイント宿泊を変動制(Dynamic Pricing)へ移行 過去2年で変動制を導入したマイル&ポイントも紹介
初めてこのブログにお越しの方は、アメリカ駐在員が年間100万マイル&ポイントを貯めた方法をまとめた>こちらのエントリ<からご覧ください。
こんにちは、アメリカ駐在員のKenji(@sorakoge)です。
今日は、IHGグループが4月23日から台湾の一部ホテルでひっそりとスタートした変動チャート制(Dynamic Pricing)について取り上げます。
Kenji
ここ2年で変動制に移行したマイル&ポイントについても合わせて振り返ってみたいと思います
IHGのポイントプログラムの概要
IHGのポイントプログラムはチャート制で、ポイントを使った無料宿泊が1万ポイント以上から可能なホテルプログラムでした。
必要ポイントはホテルによって異なり、IHGの場合は毎年1回、例年1月にポイント数の見直しを行っていました。
たとえば、2019年1月に発表されたチャートでは、日本国内では下記6件のホテルが値上がりしました(ホリデイイン・宮崎のみ値下がりで合計7件)。
Kenji
私が見逃していなければですが、2020年はまだIHGのポイント宿泊はアップデートがリリースされていないですね。ハイアット同様、コロナでそれどころではなくなってしまったのかもしれませんね。。
出典はこちらにある公式サイトのリリースです。
じわりじわりと、毎年必要ポイントを上げているのがわかります。
IHGが台湾など一部地域で変動チャート制を導入
今回加わった変更点で押さえておくべきは、以下の2点です。
Kenji
なお、公式のアナウンスがないため、他ブログや、サンプルの検索結果からの推測を含みます。一部誤っているかもしれません
① 変更後の必要ポイント数が不明(変動チャート制が導入)
② 変動制の導入は、台湾の一部ホテルから試験的にスタートして、段階的に導入される
以下、それぞれについて簡単に解説します。
一部ホテルでの変動チャート制の導入
今回の改訂は、複数のブログ記事を確認する限り、変更後のチャートは公表されていません。というか、そもそも新しいプログラムがスタートしたこと自体公式サイトでのアナウンスがないため、全容が明らかになっていません。
変更は、4月23日から導入されたようです。
サンプルとして検索した台湾・台北の検索結果がこちらです。
こちらが5月15日宿泊の場合の必要ポイント数
そして、こちらが12月24日の必要ポイント数です。
見ていただくとわかるとおり、「Regent Taipei」と「Hotel Indigo Taipei North」の2件について、必要ポイントが12月24日は増えていることがわかります。
Regent Taipeiでは3万ポイント→6万ポイントと、クリスマスの繁忙期には必要ポイント数が倍になっています。
しかし、同じ台北でも残り2件、「Kimpton Da An Hotel」と「Holiday Inn Express」についてはポイント数の増加は確認できませんでした。
Loyalty LobbyのエントリではKimptonの必要ポイント数が増加している旨のスクショが紹介されていたので実際には導入されているのかもしれませんが、いかんせんサンプルが少なすぎて、どこまでが今回の変動チャート制の対象になっているのかが、今一つ判然としません。
段階的な導入
今回の変動チャート制は、全世界で一斉にスタートしたものではなく、台湾の一部ホテルを対象に試験的に導入されたもののようです。
Loyalty Lobbyなどの一部ブログでは中国・台湾・マカオ・香港が今回の対象に含まれている旨のコメントがされていますが、私が見た限りで変動制が確認できたのは、台湾のみでした。
なお、PointsGuyの記事によれば、ホテルグループからの非公式のアナウンスとして、今後段階的に変動チャート制が導入される国・地域は拡大していくとのことです。
In a statement to TPG, IHG noted that it began introducing “Reward Night redemption flexibility” — its term for dynamic award pricing — on April 23 at properties in Greater China. In addition, the hotel group said that it will be expanding dynamic pricing “more widely through the course of the year as appropriate.”
もともとIHGは2019年中に変動チャート制に移行する旨の会社方針を決算発表でアナウンスしていたため、今回の改定は時期こそずれたものの、それを実現した形ということが出来そうです。
Kenji
しかし、コロナ情勢がまだ収まらぬ中でのこのプログラム変更は、無謀というか、ちょっと空気の読めない変更かな・・・という印象を持ったのは私だけではない気がします
IHGポイントプログラムの今後
今後IHGのポイントの価値はどうなっていくのでしょうか?
まだ新しいプログラムが始まったばかりでわかりませんが、過去に同じように移行したヒルトンを見てみると、やはり改訂後はポイント価値が減少する(=改悪)方向にあるようです。
Kenji
ヒルトンの特典宿泊に必要なポイントはこのページで確認できますが、だいたいは高い方の必要ポイント数で張り付いていることが多い印象です。もちろん、IHGにはまだこういった検索ツールは存在しません
TPGによれば、IHGのポイントは、現在は0.5セント/pt程度で評価されています。
https://thepointsguy.com/guide/monthly-valuations/
これが変動制に移行されてどうなるのか・・・・
IHGは、ホテルプログラムの中では、Radisson Rewardsと並んでもっともポイント単価が低いプログラムなので、これ以上下がると空のスカイペソならぬホテルのペソポイントという評価が下ってしまいそうな気がします・・・
変動制を導入したマイル&ポイントプログラム
近年、変動制への移行を発表するマイル&ポイントが相次いでいます。
この2年くらいを振り返っただけでも、6件の航空会社&ホテルグループが全部または一部のポイントプログラムを変動制に移行しました。
変動制に移行したマイル&ポイント
✔ 2018年7月12日:JALが特典航空券Plusの手配に変動制導入を発表(2018年12月4日開始)
✔ 2018年10月22日:ハイアットがポイント&キャッシュの宿泊の場合のキャッシュ部分を変動制に移行(2018年11月1日開始)
✔ 2019年4月6日:ユナイテッドの特典航空券がチャート制を撤廃。変動制を導入(2019年11月15日移行搭乗分)
✔ 2019年9月14日:マリオットがシーズン制をスタート(詳しくはこちらのエントリを参照)
✔ 2019年12月4日:ハイアットがシーズン制への移行を発表(2020年3月~)
→コロナの影響により、2021年まで導入が見送られました。詳しくは、こちらのエントリを参照してください。
✔ 2019年12月18日:アメリカンの特典航空券がチャート制を撤廃(詳しくはこちらのエントリを参照)
✔ 2020年4月25日:IHGが中国を含む一部地域で変動チャート制に移行 ←今回
変動チャート制への移行はもう止めようがない流れだということがわかりますね・・
需給が分かる分、ニーズがある日にちは高くしても稼働率は保てるだろうというホテル側のマーケティングが透けて見えます。ビッグデータの活用が出来るようになったことの負の効果もありそうです。
今後、マイル&ポイントのチャートのいわば「歪み」を利用した旅行プランニングというのは一層難しくなっていくことは間違いないと思います。
まとめ
今日は、IHGが台湾を含む一部地域でスタートしたポイント宿泊の変動チャート制について解説しました。
変動チャートへの移行は必要ポイントがあらかじめ定めにくくなりますし、ホテル側の裁量で必要ポイントが上下されてしまうという点でもユーザー側にとっては歓迎すべき改訂ではありません。
なぜコロナが冷めやらぬこの状況下で・・・という気もしますが、これが当面他の国へ広がらないことを願うばかりです。
参考記事です。
変動制と言えば、ホテルグループで有名なのはヒルトンのポイントプログラムです。ヒルトンについては、下記のエントリでポイントプログラムの使いこなし方を詳細に解説しています。
【保存版】ヒルトンポイントの価値を徹底検証:その1(ポイント制度と各種セール、クレジットカードベネフィットの解説)
【保存版】ヒルトンポイントの価値を徹底検証:その2(ポイント宿泊のコストパフォーマンス
航空会社で有名なのはデルタですね。デルタマイルの価値については、以前下記のエントリで私の考えを書きました。
ポルトガル旅行の特典航空券発券:アメリカ駐在員が考えるデルタ・スカイマイルの価値
本当にスカイペソ?駐在マイラーがデルタマイルの最低価値を1マイル=1円で計算できる理由
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